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#トップチーム  #2021.11 

「選手たちの気持ちと向き合う仕事」中山貴幸氏(チーフトレーナー)インタビュー【シーズン終盤特集】

INTERVIEW GAME
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文=平柳麻衣

シーズン終盤特集の第3回は、中山貴幸氏(チーフトレーナー)のインタビューをお届けします。選手たちのコンディション管理や治療、リハビリに携わり、チームを支えるメディカルスタッフ。日々選手と接するなかで感じることや、メディカルの立場から思い描くエスパルスの理想の未来図とは?

僕はエスパルスに来て今年で14年目で、アカデミーのスタッフを経て、昨シーズンからトップチームのスタッフになりました。理学療法士の資格を持っていて、メディカルスタッフの一人として、主にはケガをした選手のリハビリテーションを担当しています。

また、今シーズンはチーフトレーナーという立場になり、ドクターと協力しながら選手の日々の状態を確認し、他のメディカルスタッフや監督、フロントなどと情報を共有して、チームがスムーズに試合へ向かっていけるようサポートしています。

本来、僕らにとって一番大事な仕事は、選手がケガをしないための体作りや栄養補給、セルフケアをフィジカルコーチと協力しながらサポートしていくことです。しかし、ケガによる離脱者が出ると、その選手の治療やリハビリに注力することが多くなります。

僕らとしてはケガをした選手がいち早く復帰し、チームの選手層に穴をあけないよう常々努力をしているのですが、今シーズンはなかなか難しかった。その要因の一つとして、試合中に大きなケガを受傷してしまった選手がいました。また、復帰まで長い時間を費やした選手もいて、リハビリを上手くマネジメントしながらプレーに復帰させていくことの難しさを今シーズンはとくに感じました。この経験は絶対に無駄にしてはいけないし、今後に生かさなければいけない。そう強く思っています。

©S-PULSE

治療やリハビリにおける僕らの仕事は、身体の状態を良くしていくことはもちろん、選手たちの気持ちと向き合うことも含んでいます。ケガをすれば当然誰でも悩んだり、落ち込んだりしてしまいますし、「プレーしたいのにできない」という葛藤を抱えることになります。

とくに今シーズンはチームの成績がなかなか向上せず、「チームに迷惑を掛けて申し訳ない」という気持ちは離脱した選手みんなが強く持っていました。今シーズンに限った話ではないですが、選手たちが落ち込み過ぎず、いかに前向きにチャレンジできるようにするか。それは僕らも常々考えるようにしています。

僕らの仕事は、なかなか手応えを得るのが難しい職種です。スムーズにいかないことも多いですし、たとえスムーズに選手が復帰できたとしても、「これが本当に最適だったのか?」「もっと早く復帰できる方法があったのではないか?」と考えます。

常々ベストは尽くしながらも、決して満足することはありません。ただ、日頃から「選手のために」と考え続けているので、ケガをしていた選手が復帰したり、元気にプレーしているとうれしくなりますし、試合で頑張っている姿を観ると、僕もやりがいを感じます。

今シーズンは泣いても笑っても残り2試合。僕らの力はわずかかもしれないですけど、選手たちがより良いコンディションでプレーできるよう精いっぱい力を注いで、勝利、そして残留を掴み取れるよう、少しでもチームの助けになりたいと思います。